2026.09.02

洗濯物が乾くまで。
富山で変わった暮らしの習慣

熊野 由香里

本当は梅雨の時期に書こうと思っていたけど、気づけば8月も末。
梅雨はとっくに明けています。
でも、富山で暮らしていると、洗濯物の心配をするのは梅雨だけではありません。
富山に移住して、暮らしの中で変わったことのひとつが「洗濯」でした。

横浜に住んでいたころ、私は断然、外干し派でした。
洗濯物は、太陽の下で干したい。
部屋干しは、特有の臭いが苦手だったこともあり、できればしたくない。
物件を探すときも「洗濯物を外に干せること」は、私にとって外せない条件のひとつでした。

そんな私が富山への移住を決め、
住む場所について、移住相談窓口の方に相談していた時のこと。

「富山は晴れの日が少ないので、洗濯物は、基本部屋干しです。」

そう言われて、かなり驚いたのを覚えています。
さらに物件の内見に行くと、「サンルーム」という洗濯物を干すための小さなスペースがついている部屋もありました。

結局、私はサンルームのない部屋を選びましたが、富山で暮らして一年。
もちろん、その年の天候や住んでいる環境によって違いはあると思いますが、
私の場合は──

春と夏は、変わらず外干しできています。
移住してからの梅雨もそれほど雨が続かず、夏はとにかく暑いので、
外に干せばしっかり乾きます。

「なんだ、意外と外に干せるじゃん」

そう思っていたのですが、秋、そして冬になると少し様子が変わってきます。

曇りの日が増え、雨が降っていなくても洗濯物はなかなか乾きません。
雪が降る頃には、晴れていても外に干した洗濯物が乾きにくくなり、
ずっと避けていた部屋干しをするようになりました。

でも、実際にやってみると、部屋干し用の洗剤もあり、以前気になっていた臭いもほとんどありません。
冬は暖房が欠かせず、室内が乾燥するので、洗濯物を干すことでちょうどいい加湿器代わりにもなります。笑
さらに室内では、一度にたくさんの洗濯物を干せないため、自然とこまめに洗濯するようになりました。
一回あたりの量が少なくなったことで、洗濯に対する「面倒だな」という気持ちも 少しずつ薄れていった気がします。

そして、もうひとつ。
富山で暮らすようになって、コインランドリーも以前より気軽に使うようになりました。
私はもともと、乾燥機にかけたタオルがふかふかになるのが好きで、横浜にいたころも梅雨の時期などにはよく利用していました。

ただ、当時の移動手段は徒歩。
たくさんの洗濯物を抱えてコインランドリーまで歩くのは、なかなか大変でした。
布団を洗いたい時も、クリーニング店まで抱えて歩いて持って行っていました。

でも、富山では基本的に車移動です。
洗濯物も布団も車に積んでしまえばいいので、
「ちょっとコインランドリーに行こう」と思えるハードルがかなり下がりました。

外に干せない。
明日も晴れない。
洗濯物がどんどん溜まっていく。

以前なら少しストレスに感じていたそんな状況も、
今では「部屋に干せばいいか」「コインランドリーに行けばいいか」と
その日の天気に合わせて方法を選べるようになりました。

洗濯ひとつとっても、住む場所が変わると、
当たり前だと思っていたことが少しずつ変わっていく。
そんな小さな変化も、移住して暮らす面白さのひとつなのかもしれません。

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熊野 由香里

1985年大阪生まれ。東京で放送作家として14年間テレビ番組などの企画・構成を手がけ、その後、映像制作会社で動画コンテンツ制作に携わる。現在はフリーランスとして活動しながら、富山県地域おこし協力隊として県内で働く協力隊の活動を取材し、YouTubeやInstagramで発信している。