

昨年7月、私は富山県地域おこし協力隊として横浜から移住してきました。
移住となれば、まず決めないといけないのが住居。
採用から仕事始めまで1ヶ月。
住む場所を決める時間は、ほとんどありませんでした。
私が富山に移住すると決めたとき、思っていたことがあります。
今より、暮らしをグレードアップさせたい。
地方移住というと、自然豊かで古民家、一軒家で……
そんなイメージを持つ人も多いかもしれません。
でも、私が思い描いていたのは、少し違いました。
横浜に住んでいたときは、家賃を抑えようとすると、だいたい何かを諦めることになる。
広さか、築年数か、駅までの距離か。
「まあ、家ってこんなもんか」と思いながら、
じわじわ我慢が積み重なっていたのかもしれません。
だから富山に行くと決めたとき、自然より何より先に思ったのが、
“我慢しないで、住みたい家に住む” でした。
富山なら、家賃を抑えながら、もう少し条件のいい場所に住めるかもしれない。
今まで叶えられなかった理想を、叶えられるかもしれない。
そうして選んだ、今の住まいは、
- マンション(それまでずっとアパート暮らし)
- RC構造(木造にしか住んだことがなかった)
- 5階(2階以上は初めて)
- 40平米以上(これまでで最大が26平米)
これまで住んできた中で、一番広かった部屋は26平米。
そこから持ってきた荷物を全部入れても、40平米は正直広すぎて、
最初、部屋はすっからかんでした。
観葉植物を置いたり、ソファを買ったり。
暮らしの輪郭が整っていくほど、出費もきれいに増えていきましたが、
その分、満足感のある暮らしに近づいている気がします。
この部屋は、10軒くらい内見した中で、いちばん最初に見た部屋でした。
窓からの景色を見た瞬間、思わず「わぁ」と声が出た。
ここに決めるまで、各物件の3年間住んだときのコスパを計算するくらい、
慎重に悩んでいたけど、最終的には、損得よりもその直感が決め手になりました。
では、実際に暮らしのグレードは上がったのか。
半年くらい住んでみて、気づいたことがあります。
「我慢しないで住みたい家に住む」を優先した結果、少し郊外の住まいになりました。
そうなると、車はやっぱり欠かせません。
ガソリン代に保険、冬が来ればタイヤも。
家賃が抑えられた分、出費の形は想像と少し違いました。
それでも「いい暮らしをしているな」と思える瞬間が増えています。
窓から見えるこの景色があるだけで、ここに来てよかったと思えます。
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熊野 由香里
1985年大阪生まれ。東京で放送作家として14年間テレビ番組などの企画・構成を手がけ、その後、映像制作会社で動画コンテンツ制作に携わる。現在はフリーランスとして活動しながら、富山県地域おこし協力隊として県内で働く協力隊の活動を取材し、YouTubeやInstagramで発信している。