故郷じゃないのに帰ってきたくなる、
ほっとする場所。

Profile |
東 健志さん<49歳>
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ご夫妻は市内にある農業法人の元研修生同士で、現在は兼業農家。ブルーベリー農園を営みながら、健志さんは運送事業を行い、るにさんはIT系の会社に勤務する。
お菓子作りを仕事に。
夢を叶えるための転職移住。
Q.どうして富山市に移住されたのですか?
るにさん
転職でやって来ました。横浜の印刷会社で働いていたとき、富山市で農業を営む大学時代の先輩から、「るにはお菓子作りが上手だったよね。農産物を使ってお菓子作りをしてみない?」と誘われたのがきっかけです。
好きなお菓子作りを仕事にしたいと思っていたときでした。真冬に山の中にある仕事場を初めて訪れたときには、雪の多さに驚きましたし、周りからは「よく雪国に移住して来たね」とも言われましたが、あの頃はワクワクする気持ちの方が強くて、暮らしている人がいるのだからなんとかなるだろうくらいに思っていました。私の場合は転職先がたまたま富山市だっただけで、当時は「富山ってどこ?」というレベルでしたが(笑)、暮らしていくうちに居心地が良くなり、富山出身の夫と出会って、結婚して子どもたちも生まれ、そのまま富山市で暮らしています。

ゆったりとした時間が流れ、
自然とともに暮らせるまち。
Q.実際に暮らしてみていかがですか?
るにさん
移住が決まってから車の免許を取りました。雪道や山道の運転には慣れが必要でしたが、どこにでも行ける自由を手に入れたような気持ちになりました。
暮らしてみて一番違いを感じたのは、「時間の流れ方」です。東京では電車移動が一般的なので、電車の時間に縛られていつも急かされている感じでしたが、移住後は車を手に入れたこともあって、自分で時間の調整ができるようになりました。それに、農家の仕事は、陽が昇ったら始まり沈んだら終わるので、自然とともに暮らすという感覚があって、そのゆったりとした時間軸がとても心地良いと感じました。富山は暮らしやすいので、私にとって故郷である東京は遊びに行く場所になりました。都会での子育てを考えると、ベビーカーを抱えての電車の乗り降りなど、大変なことが多いだろうと思います。富山は私たちの生活の拠点であって、帰ってきたくなる、ほっとできる場所です。人とのつながりもどんどん広がっていき、長女の保育園探しのときにも情報をもらったりして、周囲の面倒見の良い人たちに助けられています。
健志さん
妻の実家にも行きますが、東京は人が多すぎて疲れます(笑)。都会に行くたび、普段の生活の良さを実感しますね。のんびり暮らせる富山が「ちょうどいい」と思います。ただ、富山市の郊外に住んでいることもあって、子どもの将来を考えたとき、多少は交通の便も考えなければならないといった点はありますね。

ブルーベリー農園を長く続け、
発展させていきたい。
Q.これからも富山市で暮らすにあたり、やってみたいことや夢は?
るにさん
私たちのブルーベリー農園は、7、8 月の週末に観光農園としてオープンし、次女はマスコットキャラクターとして(笑)、長女は従業員のように張り切ってお客さんに園内を案内しています。ポット植えの農園が多い中で、うちは地植えのため、元気に生えている木の中に分け入って進むことになるので、大人は大変かもしれないけど、子どもはすごく喜びます。種類豊富で食べ比べも楽しめるし、虫もたくさんいて、ちょっとした夏の冒険としてもおすすめです。
農園は、もともとオーナー夫婦が大切に育ててきた場所です。“これからは若い人に託したい”というご夫婦の思いを受けて、私たちが引き継がせていただくことになりました。私たちの夢は、この農園を長く続けて、発展させていくことです。ノウハウができれば、もしほかに引き継ぎを考えているところがあれば受け継ぎ、事業を広げていきたいと思っています。いずれブルーベリーを使ったお菓子も提供して、みなさんに喜んでもらえたら嬉しいですね。

外から見るよりも、
住んでみたらすごく居心地が良いです。
Q.富山市へ移住しようと考えている人へメッセージをお願いします。
健志さん
私はずっと富山に住んでいますが、どこに住もうと、自分の幸せは自分で手に入れるものですし、富山は雪が多少積もるけど、同じ日本で言葉も通じるのだから、移住を考えたときに気張る必要はないと思います。妻のように独り身で来るのと、家族で来るのとでは状況も違ってくると思いますが、どんなサポートが受けられるかをよく調べて、行政や周囲の力を借りれば、なんとかなると思います。
るにさん
私の場合は、移住しようと思って来たのではなく、ぬるっと来たので(笑)。いろいろ調べて悩むとは思いますが、気負いすぎずに、ちょっと行ってみようというくらいの気持ちで、一度来てみても良いと思います。富山は、外から見ているよりも、住んでみたらすごく居心地の良いところなので、「きっとなんとかなるから、一度来てみて」と伝えたいですね。
それに、富山は都会から近い地方都市で、田舎すぎないし、住むエリアだけでなく、家やアパートなど住まいの形態も選べるので、移住にトライしやすいところだと思います。ただ、どこに移住するにしても、期待をふくらませすぎずに、自分の許容範囲を広げておくことも大切だと思います。

富山のここが好き
お米がおいしい
東京ではお米が苦手だったので、富山に来て「どうしてこんなにおいしいの?!」と驚きました。お米のおいしさは大発見でした。

立山連峰
スペイン留学で「サグラダファミリア」を見たときと同じくらい感動しました。この素晴らしい景色を日々眺められるのは特別なことです。

人が多すぎない
都会では、花見も花火大会も人を見に行くようなものですが、富山では、花見はゆったり、花火大会は振動を感じるほど近くで楽しめます。
